荒川技研工業のミラノデザインウィーク出展記

# 荒川技研工業、ミラノデザインウィーク2025に3年連続出展

荒川技研工業株式会社(本社:東京都渋谷区)は、2025年4月7日から13日までイタリア・ミラノで開催された世界最大のデザインイベント「ミラノデザインウィーク2025」に、3年連続で出展しました。このイベントは、毎年多くのデザイナーや企業が集まり、最新のデザインや技術が紹介される場として知られています。

## 新たなインスタレーション「ubique」

今年の展示の目玉は、空間デザイナー吉添裕人氏とのコラボレーションによるインスタレーション「ubique」でした。これは、空間における光と影、そしてその間を行き交う無形の気配を捉えることを目的とした作品です。「ubique」は、素材と構造の選定を根本から見直すことで生まれたもので、荒川技研工業の50周年プロジェクト「50 GRIPS」に基づいて制作されました。

このインスタレーションでは、荒川技研工業が開発したワイヤーハンギングシステム「ARAKAWA GRIP」を使用しています。このシステムは、優れた安全性を保ちながらも、ワイヤー上の任意の位置に自由にパーツを取り付けることができるため、空間の構成や用途に応じて柔軟に形を変えることが可能です。吉添氏は「可変性」に焦点を当て、光源の位置を移動できる構成とすることで、光と素材、距離や数の関係性を自在に変化させる装置をデザインしました。

このように、照明の「吊り構造」が独創的な造形を生み出す要素となっており、来場者に新たな体験を提供しました。特に、19世紀に貴族の別荘として建てられたVilla Bagatti Valsecchiの地下スペースでの展示は、無形の可能性を美しく映し出し、多くの来場者がその空間に魅了されました。

## 家業の新常識をつくるデザインプロジェクト「NEW NORMAL 5」

もう一つの注目すべきプロジェクトは、「家業の新常識をつくるデザインプロジェクト『NEW NORMAL 5 -Japanese Maison-』」です。このプロジェクトは、中小企業の事業後継者とデザイナーの協働による事業変革をテーマにしており、今年で5回目の開催となります。荒川技研工業は、今回もワイヤーシステムを使用した空間づくりをサポートしました。

この取り組みにおいては、浦田孝典氏と伊澤真紀氏による空間構成が行われ、キャプションの掲示や展示台の設置に当社のワイヤーシステムが使用されました。このように、荒川技研工業の技術は、デザインの新たな可能性を広げる一助となっています。

## 独自の技術とデザインへの情熱

荒川技研工業は、1973年に創業され、創業者の荒川秀夫氏が「ないものを創る」を理念に掲げて技術開発を進めてきました。その中で、1975年には世界に先駆けてワイヤー金具の調整機構「ARAKAWA GRIP」を開発し、以来この技術を核とした製品を次々と市場に送り出してきました。

このような独自の技術は、国内外で高く評価され、特に「メイドインジャパン」としての信頼性が世界中から注目を集めています。また、荒川技研工業の製品は、空間デザインだけでなく、建築やイベントなど多岐にわたる分野で活用されています。

## 未来へ向けた展望

荒川技研工業の参加するミラノデザインウィークは、単なる展示の場ではなく、世界中のデザイナーや企業と交流し、新たなアイデアや技術を発信する重要な機会です。今年の展示を通じて、荒川技研工業は今後も新しいデザインと技術の可能性を探求し続けることでしょう。

今後のイベントや新しいプロジェクトにおいても、荒川技研工業の革新的なアプローチがどのように展開されていくのか、非常に楽しみです。私たちも、彼らの活動を見守り、応援していきたいと思います。

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