### 2026年卒業予定学生の就職活動傾向とその影響
株式会社キャリタスが発表した最新の調査結果によると、2026年3月卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生を含む)の就職活動状況に関する興味深いデータが得られました。この調査は2025年5月1日から7日にかけて実施され、1,035人の学生からの回答を基にしています。以下に、その主な結果と注目すべきポイントを詳しく解説します。
#### エントリー社数と参加社数の推移
調査によると、1人あたりのエントリー社数の平均は23.4社で、前年同期の23.9社をやや下回る結果となりました。また、エントリー社数に対して会社説明会への参加社数も減少傾向にあります。このデータは、学生の就職活動が少しずつ変化していることを示唆しています。企業の選択肢を広げることが重要である一方で、参加の意欲が低下しているのかもしれません。
#### 内定状況とその背景
内定率は76.2%と、前年同期の76.9%とほぼ同水準を維持しています。就職活動終了者は全体の45%に達し、継続者は内定の有無を問わず55%にのぼります。このことから、学生たちは早期に内定を獲得することに力を入れており、就職活動の早期化が進んでいることが伺えます。
#### 業界別の内定状況
内定を得た企業の業界を見てみると、「情報処理・ソフトウエア」に集中しており、全体の33%を占めています。次いで「調査・コンサルタント」が15.4%を占めています。このデータは、IT業界が学生にとって非常に魅力的な選択肢であることを示しており、今後の技術革新やデジタル化が進む中で、ますます需要が高まることが予想されます。
#### 学生の情報収集の動向
内定企業への意思決定に影響を与える要素として、文理を問わず「社員との交流機会・面談」が約7割を占めており、次点は「他の内定者との交流機会」となっています。これは、学生が企業文化や雰囲気を理解し、自分の価値観と合致するかを判断するために、実際の交流を重視していることを示しています。
#### 無断欠席の増加
特に注目すべきは、会社説明会や面接の無断欠席に関するデータです。約3割(30.3%)の学生が会社説明会を無断で欠席した経験があると回答しており、面接の無断欠席は1割未満という結果が出ています。この数字は、学生の就職活動に対する真剣さや責任感が問われる結果であり、企業側にも影響を及ぼす可能性があります。無断欠席の背景には、就職活動の過剰なストレスや、情報の非対称性があると考えられます。
#### 就活川柳から見る学生の心情
調査結果には「就活川柳」も含まれており、「就活が早期化しすぎてガクチカに」や「初任給 高いは良いが 逆に不安」などの句が紹介されています。これらの句からは、学生が抱える就職活動のプレッシャーや不安が色濃く表れています。特に「ガクチカ」とは「学生時代に力を入れたこと」を指し、早期化する就活の中で自己アピールの準備が追いつかないというジレンマを反映しています。
### まとめ
今回の株式会社キャリタスによる調査は、2026年卒業予定の学生たちの就職活動の現状を明らかにする重要なデータを提供しています。エントリー社数の減少や無断欠席の増加、そして業界別の内定状況などが示す通り、学生たちは変化する就職市場の中で新たな戦略を模索していることが分かります。特にIT業界の人気が高まる中で、企業側も学生とのコミュニケーションを重視し、より良い採用活動を展開することが求められるでしょう。このような状況を踏まえ、今後の就職活動の行方を見守ることが重要です。